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ドイツパンについて知ろう!ドイツを訪れたら食べたいドイツパン16選!

みなさん、ドイツのパンの種類は世界一ってご存知でしたか?
2,000種類とも3,000種類ともいわれているパンの種類を誇るドイツでは、パン屋さんに足を運ぶと、店頭に並んでいるパンの種類があまりに多く、何を頼んでよいのか、迷ってしまうくらいです。

ドイツパンについて知ろう!ドイツを訪れたら食べたいドイツパン16選!

そこで今回はドイツパンについてご紹介します。
ドイツパンの種類やドイツパンの材料、他の国とどんな点が違うのか、そしてお祝いで食べられるドイツパンなど、ドイツパンの魅力をみなさんにお伝えします!

ドイツパンの種類について

ドイツパンの種類について

ドイツのパンは、「大型パン」、「小型パン」、「菓子パン」など、大きく3つに分けられます。大型パンは300種類、小型パンは1,200種類、さらに甘い菓子パンなどの派生商品を入れて、全部で2,000、3,000種類もあるといわれています。

というのも、ドイツは農業大国。穀物畑はドイツ全土の5分の1もあります。南部は小麦の栽培が多く、北部はライ麦の栽培が多いといわれ、パン文化も、北部はライ麦を扱った商品が多く、南部は小麦の含有量が多いパンが多くあります。

Emma
Emma
ざっくりいうと、その土地で収穫される原材料が、その土地のパンの材料になっていると考えられます。

大型パン

大型パンとは、大きさが比較的大きく、スライスして食べるパン
重量は、最低250gと定められており、かつ、材料の9割は穀物で、油脂や砂糖などは1割以内におさえなければならないという決まりがあります。
300種類の中から、定番・おすすめの大型パンを5つご紹介します!

1. Vollkornbrot(フォルコーンブロート)

Vollkornbrot(フォルコーンブロート)

全粒穀物パン。
ドイツのパンについては分類にきちんとした決まりがあります。このフォルコーンブロートの場合、全粒小麦、または、全粒ライ麦を合わせて90%以上使ったパンのみ、フォルコーンブロートと名乗ることができるんですね。
このパンは、精製されていない小麦やライ麦を使用するため、食物繊維はもちろんのこと、ビタミンB群やミネラルが豊富。ドイツ人が好んで食べるパンのうちのひとつです。

Emma
Emma
いつもお世話になっているマイスターのパン屋さんのフォルコーンブロートが本当においしくて、初めて食べて以来、このパンのファンになりました!

2. Mehrkornbrot(メアコーンブロート)

Mehrkornbrot(メアコーンブロート)

「Mehr(メーア)」「たくさんの」「Korn(コーン)」「穀物」「Brot(ブロート)」「パン」という意味がそれぞれあります。つまり、たくさんの穀物が入ったパンのこと。

パンには、ライ麦、小麦、ふすま、それ以外に、スペルト小麦、大麦やゴマ、ひまわりの種や亜麻仁の実など、たくさんの穀物が入っています。合計3種類以上の穀物が5%以上使われているため、ヘルシーですし、私としては、さまざまな穀物の味わいが混ざっているのがおいしくて、おすすめ

Emma
Emma
私は欲張りなので、ついついメアコーンブロートを購入してしまいます(笑)
ヘルシーもおいしさも両取りしたい場合は、メアコーンブロートがおすすめです。

3. Schwarzbrot(シュヴァルツブロート)

Schwarzbrot(シュヴァルツブロート)

「Schwarz(シュヴァルツ)」「黒」「Brot(ブロート)」「パン」、直訳すると「黒パン」となります。
色は焦げ茶色で、ライ麦の比率が高いパン。北部を中心に食べられています。

Emma
Emma
パンがぎっしりと詰まっているので、パン屋さんで購入するときには、薄くスライスしてもらうのがおすすめ

薄くスライスしてたっぷりとバターを塗って、お好みのチーズやハム、野菜をのせて食べてみてください。
シュヴァルツブロートが気に入ってしまうと、他の小麦粉含有率の高いパンでは物足りなくなってくるかも。

4. Pumpernickel(プンパニッケル)

Pumpernickel(プンパニッケル)

この名の由来は諸説ありますが、全粒ライ麦と粗挽きライ麦のみを90%使用と、独特の製法で作られるパンです。
西部のほうで食べられているこのパンは、ライ麦の粒をそのまま使うため、お湯に浸し、焼成時間はなんと16時間以上!
時間をかけて焼くこともあり、パンの日持ちは通常数ヶ月ももちます。密封されている場合1年以上もつ場合も。

噛むうちに穀物の甘みが増してくるので、バターと一緒にいただくと、とても味わい深い。もちろんライ麦が主成分なので繊維はもちろん、ミネラル、ビタミンB群など栄養価満点。

Emma
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パンのイメージをくつがえす、プンパニッケル。シュヴァルツブロート同様、薄く切ってバターをたっぷり塗って食べるのがおすすめです。

5. Dinkelbrot(ディンケルブロート)

Dinkelbrot(ディンケルブロート)

「Dinkel(ディンケル)」は「スペルト小麦」。「Brot(ブロート)」は「パン」。
スペルト小麦のパン。スペルト小麦は小麦の原種で、一般的には古代麦ともいいます。品種改良されていない小麦のため、最近では健康のためにディンケルブロートを好んで食べる人も。

Emma
Emma
ドイツのパン屋さんでは、最近ディンケルブロートが増えてきています。

スペルト小麦は、小麦やライ麦よりも硬くなりやすいのですが、噛みごたえがあることも、健康志向が高い人には評価が高く、オーガニック志向が高い人の間では特に人気のパン
オーガニックのパン屋さんで買い物をしている人のパンを見ると、一般的な小麦粉よりもディンケルや、先ほど紹介した説明したライ麦のパンを好んで購入している様子を頻繁に見ます。

小型パン

小型パンは、重量が250g以下のパンで、大型パンにくらべ、バリエーションが多いのが特徴です。

ドイツを訪れた日本人が「食べたい!」と口にする「Brezel(ブレーツェル)」や、ドイツ人の朝食の定番「Broetchen(ブロートヘェン)」などが代表的。ブロートヒェンは種類も豊富で、人によって好みがいろいろあるようです。
ここからは定番、そして最近よく店頭で見かける小型パンを5商品ご紹介します。

1. Brezel(ブレーツェル)

Brezel(ブレーツェル)

日本人にも人気のブレーツェル。
バイエルン地方では、有名な白ソーセージ、ビールに欠かせないのが、このブレーツェル。塩味と、もちもちとした噛みごたえはブレーツェル独特の味と食感。

パン屋さんのマイスターさんに聞いたことがあるのですが、このパンに振りかける塩の加減は、一定ではないとのこと。塩みが強い方が好きな人もいれば、弱い方が好みな人もいるようで、多様性を考えて作っているのだとか。

Emma
Emma
知人に、「塩みが強い場合、プレーツェルにのっている塩を、好みに応じてとって食べるのが正しい食べ方だよ。」と教えてもらって以来、私はブレーツェルの塩をパラパラと振り落としてから食べる習慣が身につきました。
みなさんもぜひ、好みの塩加減で食べてみてくださいね。

2. Broetchen(ブロートヒェン)

Broetchen(ブロートヒェン)

いろいろな種類があり、主に朝食に食べるパンです。
ブロートヒェンは、上にかぼちゃの種など、いろいろな穀物がのっており、種類もさまざま

焼くことで、外側がカリッとしていて、中がもちっとした仕上がりになります。焼きたてを楽しむには最高のパン。
ドイツを訪れたら、土曜の朝7時ぐらいにパン屋さんをぜひ覗いてみてください。焼き立てのブロートヒェンが並んでいます。

ドイツでは、家族でパンを買いに行くのは、基本的に男性の役割。パン屋さんの前にずらーっと男性が並んでいる姿を見て、驚く人も多いと思います。小さなお子さん連れのお父さんたちもよく見かけます。
土曜日の朝は、奥さんがゆっくり朝食の支度をしながら、家で焼きたてのパンを待っているのですね。パン屋さんに男性が並んでいるの光景を見ると、ドイツ人のご家庭におじゃましているとき、焼きたてパンをそのご家庭のお父さんが買ってきてくれたことを思い出しますね。

3. Kaisersemmel(カイザーゼンメル)

Kaisersemmel(カイザーゼンメル)

ブロートヒェンの一種。南のほうでは、ブロートヒェンを「semmel(ゼンメル)」といいます。

「Kaiser(カイザー)」「皇帝」の意味で、ゼンメルは南部で小型パンの意味。
皇帝の小型パンは、いくつかの種類があります。プレーンのものからゴマがのったもの、「Mohn(モーン)」といって、ケシの実がのったものなどがあります。
通常の小型パン同様、外側がカリッとしていて中は軽く食べやすく、主に朝食に食べられるパンです。

Emma
Emma
ドイツに来たらぜひこの小型パン、バターとジャムやはちみつで楽しんでみてください。バケットもおすすめですが、カイザーゼンメルが好きになる方も結構いると思います。

4. Laugenstange(ラウゲンシュタンゲ)

Laugenstange(ラウゲンシュタンゲ)

「Lauge(ラウゲ)」(灰汁)をつけて焼いたパン。「stange(シュタンゲ)」「棒」の意味。

ドイツで作られる一般的なソーセージより、やや大きいぐらいのサイズ
縦に切り目を入れてチーズなどを挟み、オーブンで焼いて提供してくれたりします。

Emma
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朝のパン屋さんに入ると、この香りがたまらない・・・!

5. Dinkelcroissant(ディンケルクロッソーン)

Dinkelcroissant(ディンケルクロッソーン)

スペルト小麦のクロワッサン。
通常のクロワッサンよりも、中に空気があまり含まれておらず、ぎゅっと詰まっています。

Emma
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なかなか噛みごたえがあり、満腹感をしっかり楽しめるクロワッサンです。

日本でも最近は、日本人がドイツのパンを作っているパン屋さんが増えてきています。
ドイツの職人ゲゼレやマイスターの資格を取得したあと、本物のドイツパン屋さんを営んでいたりマイスターからドイツパンを教えてもらってドイツパンを追求している、素敵なパン屋さんがあります。
ミネラルなどの栄養価の高いドイツパンが、日本でも手に入るようになってきたことは、パン好きの人、故郷を離れているドイツ人にとってはとても嬉しい話ですね。

ドイツパンの材料について

ドイツパンの材料について

ドイツのパンの魅力はなんといっても材料。日本のパンは小麦粉を主材料としていますが、ドイツの場合、小麦粉だけではなく、ライ麦や古代麦(スペルト小麦)などの主材料をよく使います
ドイツならではのパンの材料を知っていただくことで、日本の一般的なパンとの違いを知っていただけると思いますので、ご紹介します。

ドイツパンの主材料
Roggen(ロッゲン) ライ麦
Dinkel (ディンケル) 古代麦
Weizen(ヴァイツェン) 小麦
Brauner Reis(ブラウナーライス) 玄米

日本のパンは、主に小麦粉が主材料。最近でこそ、ライ麦を材料にパンを作るパン屋さんも増えてきていますが、大規模な広がりはこれからといった感じがします。
ドイツでは、最近は古代麦(日本ではスペルド小麦ともいいます)を原材料にしたパンがかなり普及してきています。ご存知の方も多いと思いますが、ライ麦はドイツで伝統的に使われてきたパンの主材料になります。

ドイツパンに練り込んだり、のせたりする食材
Gerste(ゲアステ) 大麦
Hafer (ハーファー) オート麦
Hirse(ヒルゼ) ヒエ
Sonnenblumenkerne(ゾンネンブルーメンケアネ) ひまわりの種
Kuerbiskerne(キュルビスケアネ) かぼちゃの種
Walnus(ワルヌス) くるみの実
Rosinen(ロジーネン) 干しぶどう
Leinsamen(ラインザーメン) 亜麻仁の実
Sesamkerne(ゼーザムケアネ) ゴマ

ドイツでは、本当に多くの実や種をパンに使います
ビタミンやミネラルが豊富な実や種を練り込んだり、のせたりすることで、パンの栄養価が上がり、おいしさと健康を兼ねた食べ物になる点が、ドイツパンの大きな魅力です。

サワー種

ドイツパンで印象的なのは、ライ麦パンで酸味を感じること
そう、ドイツのパンは「Sauerteig(ザウワータイク)」、サワー種にその特徴があります。

そもそもライ麦粉は小麦粉と異なり、グルテンを形成しない特質があります。
たとえば、ライ麦粉100%でパンを作った場合、生地がどろっとしたままになってしまい、ネバっとした口当たりになってしまうのですが、サワー種が入ることで、ライ麦の酸味をまろやかにし、パンの口当たりをしっとりしてくれる効果があるんですね。

つまり、サワー種はライ麦パンのおいしさを、最大限まで引き出してくれるのです。
日本のパンはもともと小麦粉が主材料でパンを作ることが多いため、この酸味のあるドイツパンに馴染みがない人も多いのですが、サワー種を使ったライ麦パンはミネラル成分も豊富で、噛むごとに味わいが深まるパンなのです。

Emma
Emma
ライ麦粉や古代麦を主材料にして作ったパン。おいしい食べ方は、うすく切ってバターをたっぷり塗り、おいしいチーズやハム、そして野菜をのせたりはさんだりします!

ドイツのおいしい、おすすめお祝いパン5選

ドイツには、お祝いごとや季節で登場するお祝いパン「Festgebaeck(フェストゲベック)」というものがあります。日本でも最近、「シュトレン」などは人気ですね。
今回はたくさんある菓子パンの中から3商品とお祝いパン3商品、合わせて6商品をご紹介します!

1. Berliner(ベルリーナー)

Berliner(ベルリーナー)

まずは、おいしい菓子パンからおすすめの商品を3つ、ご紹介します。

「Berliner(ベルリーナー)」を訳すと、「ベルリンのパンケーキ」
イメージとしては、穴の空いていないドーナッツの中に、木苺のジャムが入っているもの、と想像してください。
地域によっては、年中手に入る地域もあれば、「ファッシング(カーニバル)」というキリスト教のお祭りの時期に「Krapfen(クラプフェン)」という揚げパン、ドーナッツとして販売している地域、お店もあります。

2. Krapfen(クラプフェン)

Krapfen(クラプフェン)

こちらはキリスト教の祭典、「ファッシング(カーニバル)」の時期限定で販売される揚げドーナッツ。穴が空いていないタイプのドーナッツの中には、木苺のジャムが入っています。子どもたちに大人気。

Emma
Emma
最近は、木苺ジャムのみならず、真ん中で切ってクリームを挟んだり、チョコレートをコーティングしたりと、いろいろ工夫がされているようです。

3. Rosinenschnecke(ロジーネンシュネッケ)

直訳すると、「干しぶどうかたつむり」の意味。イースト発酵した生地を渦巻き状に巻いて、焼いたもの。

干しぶどうが入っているものの他、「Nusschnecke(ヌスシュネッケ)」といって、ナッツが入ったシュネッケもあります。
甘い菓子パンで、日本人にも馴染みやすい味わいですよ。

Emma
Emma
パン屋さんによっては、巨大なシュネッケが売っていることもあり、びっくりします。

4. Stollen(シュトレン)

Stollen(シュトレン)

ここからは、お祝いのときに食べられるパンを紹介します。

シュトレンは、いわずとしれた、クリスマスのシーズンにドイツで食べられるお菓子
クリスマスシーズンの11月から1月ぐらいまで、長期にわたり食べられます。そのために、「クリスマスシュトレン」という意味の「Weihnachtsstollen(ヴァイナハツシュトレン)」とも呼ばれています。

シュトレンを食べた方はご存知かと思いますが、穀物にバターと砂糖をふんだんにつかい、ドライフルーツやナッツが入っているため、口当たりがとても良いんです。紅茶やハーブティにも合いますし、コーヒーにも合いますね。

実はこのシュトレン、中世の頃は小麦粉だけで作られていた質素なパンで、クリスマス前の断食の期間に食べられていました。その後1491年にバターや他の食材の使用が認められるようになってから、パン職人がバター、砂糖などを使うようになり、今のシュトレンになったそうです。

Emma
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詳しい内容は、後述する「ドイツパン大全」に掲載されていますので、気になる方はぜひご覧ください。

5. Neuer Brezel(ノイヤーブレーツェル)

Neuer Brezel(ノイヤーブレーツェル)

ノイヤーブレーツェルは、新年のお祝いのときに家族や親戚が集まって食べるプレーツェル
驚くほど大きいノイヤーブレーツェルは、この時期限定のブレーツェル。しょっぱい味と甘い味、両方が販売されています。

年末に複数買って、親戚や親しい人にノイヤーブレーツェルをプレゼントしたりする風習もあるようです。

Emma
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私も仕事の関係で知り合ったパンのマイスターから、ノイヤーブレーツェルをいただいたことがありますが、ブレーツェルにアーモンドやアイシングが施されており、子どもから大人まで楽しめる一品でした!
機会がある方はぜひ楽しんでみてください。

6. Weckmann(ヴェックマン)

Weckmann(ヴェックマン)

「Weck(ヴェック)」「小さい」「Mann(マン)」「人」のこと。
小さい人形のパン。このパンは、ドイツではキリスト教の「セントニコラウスの日」である12月6日に食べる風習があります。昔は、病人などに配った「製パン」としての意味合いがあったようです。
現在では、セントニコラウスの日よりもだいぶ前から楽しむ風習があるようです。

Emma
Emma
セントニコラウスの時期になると、各パン屋さんの店頭にはヴェックマンが飾られます。

まとめ

以上、ドイツパンについてご紹介しました。まだまだご紹介したいことはたくさんありますが、日本とはだいぶ違うドイツのパンについて知っていただく機会になれば嬉しいです!

さらにドイツパンについて知りたいという方には、ドイツ食品普及協会・代表の森本智子さんの著書、「ドイツパン大全」がおすすめ。
ドイツパンについて、ドイツパンの歴史、ドイツの食文化など、あらゆる情報が詰まった、とっておきの一冊です。

Emma
Emma
ドイツパンが好きな人、ドイツパンについて知りたい、勉強したい、という方にとって、宝物のような本ですのでぜひ入手してみてくださいね。

このブログを運営している「ダヴィンチインターナショナル」は、ドイツパンのプロになりたい方のための留学会社を運営しています。
ドイツ語の準備は必要になりますが、日本人でドイツ語が全くできない・・・という方でも学べる環境を整え、提供しています。
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