カルチャー

ドイツの「食」について知ろう!ドイツのオーガニック事情、BIO(ビオ)について

「オーガニック」は、ドイツで生活する人にとって当たり前のように日常生活にとけこんでいます。日本で暮らしていると、オーガニックというものにあまりなじみがない方も多いかと思いますので、今回はドイツのオーガニック事情についてご紹介します。

Emma
Emma
オーガニック、ビオは「食」に限らず、コスメや雑貨にまで普及していますが、テーマが大きくなってしまうため、今回は「食」を中心に、オーガニック、ビオのご紹介をしますね

オーガニック大国・ドイツの実情


オーガニックのお話をする前に、ドイツの食事情全般について、かんたんにご紹介します。
ドイツで生活していて特に恵まれているのが、「食」ではないかと感じています。
たとえば、パン。ドイツのパンの中身は、日本でよく見かける白いパンと異なり、ドイツのライ麦や古代麦で作られています。

ドイツのパンは精製されていないライ麦や古代麦で作っているパンが多く、ビタミン、ミネラル、食物繊維がたっぷり取れる点が魅力。日本人に不足しているといわれているビタミンなどの栄養を補うことができます。

Emma
Emma
最近は日本のパン屋さんでも、素材やドイツパンに着目したパン作りをしているパン職人の方が増えてきたのを感じており、とても嬉しいです!

このように加工品においても、良質な素材を使用しているうえに、ドイツのスーパーなどでは、日本のオーガニック商品と比べると、だいぶ安価でオーガニック商品が購入できるのです。

ドイツの食事情全般について知っていただいたところで、オーガニックのご紹介にはいろうと思います。

オーガニックとは、はっきりと定義することが難しく、日本では有機や無農薬の商品を想像する方が多いかと思います。後述しますがドイツでは、オーガニックはBIO(ビオ)と呼ばれており、ビオの中にもそれぞれの定義が異なるため、厳密には日本人が想像するオーガニックと、ドイツ人が想像するオーガニックは同じ意味ではない場合もあります

英語のオーガニック(organic)には広い意味があり、日本のいうオーガニック(有機や無農薬)だけでなく、ドイツのいうオーガニック(ビオ)なども含まれています。
あまり難しく考えすぎず、英語のオーガニックはドイツではビオというんだよ、ぐらいに考えていただければと思います。

ドイツのオーガニックの普及は、全国展開する大手のオーガニックスーパーだけでも、700軒以上の店舗があり、ドイツでの日常生活に溶け込んでいます。最大手の「denn’s Biomarkt」は全国に200軒以上店舗を展開しており、1店舗でなんと約60,000種類のオーガニック商品を提供しています
オーガニック専門の小売は2,400店舗もあり、街のいたるところでお店を見かけることができます。

Baum
Baum
ドイツではどのくらいオーガニックで食物を栽培しているのかな?
Emma
Emma
日本国内の耕地面積における有機の畑の割合は、わずか0.22%であるのに対し、ドイツはその約30倍の6.1%といわれています。(2014年 農林水産省調べ)
Baum
Baum
日本はゼロではないけれど、これからといった感じだね。日本とドイツ以外の国はどうなっているんだろう?
Emma
Emma
有機農業先進国では、イタリアが8.6%、イギリス4.0%、フランス3.6%となっているのよ。ドイツは世界的にもオーガニック先進国といえますね。

ドイツ国内のオーガニック売り上げは、約1兆円を超えています。スーパーでもオーガニックコーナーが必ずありますし、100%オーガニックの食材しか置いていないお店やスーパーが、数多く点在しています

ドイツのオーガニック事情については動画でもご紹介していますので、よかったらご覧ください!

「BIO(ビオ)」と「BIO(ビオ)マーク」

ドイツのスーパーなどを訪れると、「BIO」と書かれたマークが貼ってある商品を見かけることがあるかと思います。

BIO(ビオ)

ドイツではオーガニックのことを、「BIO(ビオ)」といいます。ビオとはドイツ語の「Biologisch(ビオロギッシ)」の略で、「生物学」という意味があります。

Baum
Baum
オーガニックとビオってなにが違うの?
Emma
Emma
日本で浸透している「オーガニック」という意味で考えるのであれば、広義においてオーガニックはビオと同意語といえます。

ただ、これから紹介するビオやオーガニックの認証にはそれぞれの定義があるため、日本でいうオーガニックとドイツのビオが全くの同意語というわけではないのです。

Baum
Baum
なるほど〜!少し複雑だけど、広く平たくとらえれば、オーガニック=ビオということになるのかな?
Emma
Emma
そうですね!

BIO(ビオ)マーク

ビオには、「BIO(ビオ)マーク」という認証マークがあります。

「BIO(ビオ)マーク」は大きく分けて以下の3つがあります。

  1. EU認証の「EU-siegel(エーウージーゲル)」
  2. ドイツビオ認証の「Bio-siegel Deutschland(ビオジーゲル ドイチェランド)」
  3. オーガニックの農業団体の独自のBIO(ビオ)認証
Emma
Emma
それぞれについて解説していきます!

EU-siegel(エーウージーゲル)

EU-siegel(エーウージーゲル)

ヨーロッパ認証のエーウージーゲルは、ヨーロッパにおけるオーガニックの最低基準を示しており、オーガニック食材には基本的に、すべてこのマークの表示が義務付けられています

Bio-siegel Deutschland(ビオジーゲル ドイチェランド)

Bio-siegel Deutschland(ビオジーゲル ドイチェランド)

ドイツビオ認証のビオジーゲル ドイチェランドは、エーウージーゲルと比較すると、より厳しい基準となっています。

オーガニックの農業団体の独自のBIO(ビオ)認証

オーガニックの農業団体の独自のBIO(ビオ)認証

農業団体のビオ認証の種類としては主に、

  • Bioland(ビオランド)
  • Demeter(デメター)
  • Naturland(ナチュアランド)

の3つがあげられます。

これらの団体の認証基準は、エーウージーゲルやビオジーゲル ドイチェランドに比べ、さらに厳しい基準がそれぞれ設けられているのが特徴です。
農業団体としての歴史も長く、約30〜40年前から取り組まれています

BIO(ビオ)とBIO(ビオ)マークについては動画でもご紹介していますので、よかったらご覧ください!
他にもドイツのいろいろな情報を発信していますので、興味のある方はチャンネル登録をしていただけると嬉しいです!

ドイツのビオ商品にはどんなものがあるの?

今回はたくさんのビオ商品の中から、おすすめ食材を4つご紹介します。
日本円の換算に関しては、1ユーロ=約124円としています。(2019年7月時点)

レモン

レモン

画像のレモンは、エーウージーゲル、つまりEU諸国の認証を受けていて、かつ農業団体のデメターの認証を受けていることがわかります。

産地はスペインのバレンシア。価格は7個で1.79ユーロ。日本円だと約222円です。
厳しい基準で作られたレモンが、7個で222円で購入できてしまいます。みずみずしくて果汁たっぷりです。

バナナ

バナナ

画像のバナナは、さきほどのレモン同様、エーウージーゲルの認証と、厳しい農業団体によるデメター認証を受けています
3本で1.01ユーロ、日本円で約125円です。1本あたりの価格は約42円。日本だと有機バナナの価格は、1本あたり約200円が相場なので、そう考えると日本で有機バナナを買うよりもかなり安価ですよね。

このバナナは、数日待てば味が濃くなり、甘みが増しておいしくなります

生姜

生姜

画像の生姜は、ドイツの認証マークをとっています。348gで1.74ユーロ、日本円で約216円です。
オーガニックなのに日本の有機生姜にくらべだいぶ安価なだけでなく、汁がたっぷりで品質が良く、とても使い勝手がよいです。

Schwarzer Venere Reis(シュヴァルツァー ヴェネーレ ライス)

Schwarzer Venere Reis(シュヴァルツァーヴェネーレライス)

こちらは、黒ベネレ米です。

黒ベネレ米とは、2,800年前からある中国の古代米。最近では、イタリアでも生産されるようになり、画像の商品は、イタリア産のものです。
エーウージーゲルの認証と、ドイツの認証の両方を取得しています。価格は250gで2.99ユーロ、日本円で約371円になります。

私は黒ベネレ米に、ビオのキヌアなどを混ぜて、一緒に炊いています香ばしく、甘みもありとてもおいしいですよ。

今回の商品は全て「EDEKA Zurheide(エデカ ツアハイデ)」という、デュッセルドルフの市街地にあるスーパーの中のオーガニックコーナーで購入しました。
ドイツで購入できるビオ商品は、他の商品とくらべ、1〜2割り増しぐらいの価格になっています。
とはいっても、日本のオーガニック食材に比べると価格は安くお得ですし、BIO(ビオ)マークがあるので、安心感もありますね。

一方で、課題もあります。
時々、BIO(ビオ)マークがついているのに、商品の安全性が保たれていなかったという事態が発覚することもあり、その度に議論が交わされ、是正措置がとられます。

Emma
Emma
100%安全とは言い切れませんが、ビオ商品として認証されるまでの厳しい検査や審査基準を知ると、ビオ商品は他の一般商品に比べ安全性が保たれているといえます

ビオ商品が購入できるドイツのオーガニックスーパー 5選

1. Denn’s Bio(デンス ビオ)

 Denn’s Bio(デンスビオ)

全国に1,700店舗あるオーガニックスーパー。全品オーガニックを揃えているスーパーとしては、規模が大きいです。
品揃えがとにかく豊富で、店舗にもよりますが、ビオのコスメや雑貨の品揃えも多く、お土産にも喜ばれる商品が見つかりやすいです。

2. Basic Bio(ベーシック ビオ)

Basic Bio(ベーシックビオ)

全国に750店舗あるオーガニックスーパー。さらにドイツの隣にあるオーストリアに23店舗あります。
ドイツのバイエルン州南方面に比較的多いお店です。最近は徐々に店舗を全国に広げています。

お店の名前にBasicという名前がついているものの、意外と掘り出し物の商品が多いのがおすすめポイント。食材もコスメもちょっとクセのある商品の取り扱いが多い印象ですが、その分こだわりの商品が見つかることもあります。

お店の規模にもよるかもしれませんが、コスメコーナーはほかのビオのお店にはない商品が置いてあったりするので、巷では見かけないレアなビオ商材などに出会えることも。

3. Alnatura(アルナチュラ)

Alnatura(アルナチュラ)

全国に126店舗あるオーガニックスーパー。「Denn’s Bio」や「Basic Bio」ほど店舗数はありませんが、全国に点在しているため、北部でも南部でも見かけるお店です。

OEMブランド商材だけでなく、Demeterなどの農業団体の商材からベビー用品、コスメ、雑貨も取り扱っているので、ほかのビオのお店と引けをとることはありません。
特に、コスメのうち「Sonnnentor」の商品は、どこにでも置いてあるわけではないので、どこのコスメメーカーが入っているかをチェックしておくとよいですね

4. SUPER BIO MARKT(ズーパー ビオ マークト)

SUPER BIO MARKT(ズーパービオマークト)

ドイツ西部にある、ノートラインワストファーレン州に24店舗あるオーガニックスーパーです。
日本人の多いデュッセルドルフを中心に展開する、ローカルなお店。食材をメインに、食肉加工やチーズコーナーも充実しています

お店の販売員さんがていねいに、いろいろな商品説明をしてくれるので、オーガニックに興味がある方はぜひこのお店で聞いてみましょう。
スーパー内にある食肉加工店では、ビオのレバーなども購入可能です。
数日前に頼んでおく必要がある場合もありますが、新鮮なレバーやそのほかの希少部位が手に入ったりします。

5. Biohofladen(ビオホフラーデン)

Biohofladen(ビオホフラーデン)

ビオの農業団体Biolandの直営店です。各地の農地に点在していて、主に郊外にあります。

直営店であるBiolandの商品以外に、他のメーカーのビオ商品もたくさん販売しています。
デュッセルドルフの近郊にある、おすすめの直営店は「Bio Hof Bolten」
スコットランドポニーがいたりなど、お子さん連れで訪れるととても楽しいひとときを過ごすことができます。直営店には小さなカフェもあるので、ビオのコーヒーやケーキでお茶を楽しむこともできますよ

公式サイトはこちら(ドイツ語)

ビオのお店には、特に最近増えてきているベジタリアンやビーガン用の品揃えも多く、コスメや雑貨なども販売されています
グルテンフリーやラクトースフリーの商材が、ほかのスーパーと比べて多いことも特徴のひとつ。ビーガンが好んで食べる「豆腐」も、あらゆる商品を取り揃えていて、見ていておもしろいです。

Emma
Emma
シンプルな豆腐から、燻製豆腐や味付け豆腐などもありますよ。

コスメ商品、雑貨、ベビー関連商品も、ビオで肌に優しい商品が多いので、お子さんがいるご家庭や女性にとって、これだ!という運命の一品に出会えるかもしれません。ぜひ覗いてみてくださいね!

ドイツに住んでいる方や、ヨーロッパに住んでいる方はもちろん、これからドイツを訪れる方、ドイツを訪れたときのお土産探しの参考になれば嬉しいです。

まとめ

以前東京に住んでいたときには、私は添加物に無頓着で、上白糖や化学調味料がたっぷり入ったドレッシングなど、さまざまな添加物を摂取していました。その影響もあってか、1ヶ月に1回や2回は偏頭痛になり、頭痛薬を持ち歩く日々を過ごしていました。

ところが、ドイツで生活をしはじめ、オーガニックの存在を知り、オーガニックの食材などを取り入れた生活をしているうちに、いまでは全く偏頭痛にはならない体質になりました

Emma
Emma
オーガニックだけでなく、生活環境が変わったことも影響していると思いますが、ドイツでの食生活の質の良さ、選択肢の幅の広さはドイツでの生活の魅力だと思っています

そんな「食」に恵まれているドイツで、いかにオーガニックが日常生活に溶け込んでいるか、みなさんにもお分かりいただけたかと思います。
ぜひドイツを訪れたときは、オーガニック・BIO(ビオ)の商品を探してみてくださいね!